父は66歳の夏に、他界しました。
長く働いてきた企業で、働き続けようとする姿は、
今でも、私の記憶に鮮明に残っています。
父の死を通じて、私は初めて、「健康寿命」 という概念を、
強く意識するようになりました。
父の66歳という年齢
父は66歳という年齢で、会社を完全に離れてすぐに、退職生活に入ろうとしていた矢先でした。
つまり、
父の人生は、「会社を辞めて、自分自身の時間を守る」という次のステージの直前に、
思いがけず終わりを迎えているのです。
父は長年、自分の仕事に誇りを持ってきた人でした。
しかし、
その仕事との「在り方」が、人生の後半で逆手に回ってしまったように、今は感じます。
- 若いころに、
会社に時間と労力を捧げすぎた - その結果、
家族や、自分自身の体調を見直す時間が足りなかった
父の死をきっかけに、
私は、自分の人生で、
「どれだけの時間とエネルギーを会社に与えているか」ということに、
自然と目が向くようになりました。
健康寿命という言葉と、自分の人生
父の死を機に、「健康寿命」という言葉を、ずっと深く考えることがありました。
健康寿命とは、介護や重い病気なく、自分の生活を普通に送れる期間を指します。
一般的に、日本人の健康寿命は、
平均寿命より10〜20年ほど短いと言われています。
つまり、
多くの人は、人生の最後の数年を、健康ではなく、介護や病気と共に過ごす可能性が高いのです。
この現実を知ったとき、
私は、「父の人生」を、自分の「近未来のシナリオ」として、思い浮かべることになるようになりました。
- 会社に長く残る一方で、
人生の後半で、自分の時間や、本当のやりたいことに注ぐ時間が、あまりなかった - 会社を辞めるタイミングに、
「もう少し働きたい」よりも、「もう少し自分の時間を取り戻したい」
といった気持ちが先行していたこと
会社と、人生の残り時間
56歳になった今、
私は、会社と、自分の人生の残り時間とのバランスを、
とても慎重に見直すようになりました。
- 会社は好調で、リストラもなく、退職金や資産も、
2025年には5000万円を超えることを見込んでいます - 管理職として16年、技術職として33年、
会社に与えてきた時間とエネルギーは、それなりに多くあります
こうした中で、
父の66歳の死を思い出すと、
私は、「自分に残された時間は、どのくらいあるか」
という問いを、無視できませんでした。
- 平均寿命は延びている。けれども、健康寿命は、その延びに追いつけない
- であれば、
会社に残り続けるよりも、自分の人生をもう一度、自分自身で組み直す
という選択肢が、非常に現実的に感じられる
早期退職を「残り時間」から見た理由
父の66歳の死をきっかけに、
私の早期退職の決断には、より具体的な理由が加わりました。
- 父が66歳で亡くなったことで、
自分の「平均的な寿命」を、実感としてとらえるようになった - 会社を辞めることで、
人生の後半を、より自由に使える時間とする - その時間の中で、
家族との時間を増やす
家の修繕や、健康維持のための活動を行う
趣味や興味を、自分のペースで再開する
こうした「残り時間」の配分を意識したとき、
早期退職は、単なる「会社をやめる」行為ではなく、
「人生の時間を再配分する」という、意味合いを強く持つようになりました。
早期退職は「逃げ」ではなく「選択」
父が66歳で亡くなったことは、
人生に対して、多くのことを教えてくれました。
その中でも、一番強く感じたのは、「時間の選択」 です。
早期退職を決めるとき、
多くの人が、以下のような問いを持ちます。
- 会社に残り続けること
- 自分の人生を、
自分自身で組み直すこと
父の死を機に、
私には、「逃げ」ではなく「選択」
としての早期退職の意味が、はっきりと見えてきました。
- 会社に残り続けると、
会社の将来を、若手に任せることが優先される - 一方で、
自分の人生を、自分で選び直すと、
人生の後半が、これまで得られなかった時間と自由を取り戻すチャンスになる
この「時間と自由」を、父の66歳の死を学びつつ、
私は、できるだけ多く取り戻したいと考えました。
父の死を通して見えた、人生の配分
父の66歳の死をきっかけに、
私は、「人生の配分」 という感覚を、強く意識するようになりました。
- 会社の将来と、自分の人生の将来を、
どちらも、できるだけバランス良く整える - 会社が好調だからこそ、
自分自身の人生を、自分で選び直す余地がある - そのために、
早期退職という、時間を再配分する手段を選ぶ
こうした思いを持ちながら、
私は、2025年9月に5000万円を超えた金融資産を、
人生の「後半を守るためのバッファー」として捉え、
正式に、56歳の早期退職を決断しました。
退職の意思を上司に伝えた経緯や、その後の5か月間の交渉については「退職の意思表明:上司との交渉記録」に書いています。

