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年金の受給開始時期を9パターンで考えた|夫婦の条件と試算の記録

夫婦の年金を9パターンで考えた記録。60歳・65歳・70歳の開始案と、加給年金・待つ間の生活費を示す。 手続き
この記事は約14分で読めます。

📌 この記事でわかること

  • 当時の9パターンの結果表と、その数字を見て迷ったこと
  • 年金額の前提と、加給年金で確認が必要な条件
  • 私が「65歳開始・妻70歳開始」を検討した理由

退職前、退職後の制度や生活費を一つひとつ考えていた頃の記録です。

このブログでは、2070年までの資産試算で、以前の1.5%から31.8%へ数字が変わったことと、それをどう受け止めたかを書いてきました。元の記事にあった「31.2%」は、この5月記事の掲載値31.8%に合わせて訂正しました。

支出の見直し、副収入、住まいを変えることなど、別の選択肢も考えました。ただ、実際にどれだけ確率が下がるかを現在再確認できるわけではありません。今回はその中でも、年金の受給開始時期に絞って考えた記録です。

そして今回、もう一つ大きな選択肢に向き合いました。「年金はいつから受け取り始めるか」──です。

妻が4歳年下で、私には加給年金の可能性がある。我が家の条件では、年金を増やすことだけでなく、待つ期間の生活費も気になりました。当時の結果と迷いを残しながら、制度の条件で確認が足りなかった点は補正しています。


はじめに──この記事の試算前提について

本題に入る前に、大事な前置きをしておきます。この試算で使った年金額は、2025年のねんきん定期便をベースにしています。具体的には以下を前提にしています。

項目2025年の定期便の見込み当時の試算入力位置づけ
私の年金・65歳開始換算年228万円年200万円早期退職を考慮して私が低めに置いた仮定
妻の年金・65歳開始換算年144万円年140万円定期便をもとに丸めた仮定
加給年金―年40万円支給条件・将来額を確認した確定額ではない

私の定期便には年228万円という見込みがありました。私は56歳で早期退職するので、勤務を続ける前提とは違います。その影響を考え、試算では年200万円と低めに置きました。ただし、加入記録から正式に再計算した退職後の見込み額ではありません。

その後の結果:退職後の定期便では約215.6万円でした

2026年10月8日の追記:退職後初めてのねんきん定期便で、65歳からの年金見込額は年2,155,598円でした。この記事の年200万円は当時の試算入力として残し、実際の定期便の見込みとは区別します。受給額や受給開始時期を確定したわけではありません。3年分の定期便と、退職前の想定を比べた記事をご覧ください。

妻の分は、定期便の年144万円をもとに年140万円と置きました。こちらも試算用に丸めた数字で、確定した受給額ではありません。

いずれも確定額ではなく、今後の制度改正・賃金物価スライドの動き・追加の厚生年金加入の有無などで変動します。この記事の数字は「2026年5月時点の見込みで計算した一つの試算」として受け取ってください。最終的な受給開始の判断は、60歳直前にそのときの最新状況で改めて行う予定です。


使ったのはClaude Opus 4.7

当時の使用ツールは、元記事に「Claude Opus 4.7」と記録しています。私と妻それぞれ60歳・65歳・70歳で開始する3通り、合わせて9通りを比較しました。元の計算プログラムや全出力表は残っていないため、制度の反映や試行内容を現在再検証した結果ではありません。


年金制度のおさらい

年金の繰上げ・繰下げ、おさらい

公的年金は標準では65歳から受給開始ですが、60歳から75歳の間で受給開始時期を選べます。1962年4月2日以降生まれの方の場合、繰上げ受給は60歳から可能で1ヶ月あたり0.4%減額(60歳開始だと−24%が一生続く)、繰下げ受給は75歳まで可能で1ヶ月あたり0.7%増額(70歳開始だと+42%、75歳開始だと+84%)となります。

減額・増額の仕組みは、日本年金機構「年金の繰上げ受給」と「年金の繰下げ受給」を2026年10月6日に確認しました。繰上げの月0.4%は1962年4月2日以後生まれの場合です。繰下げには受給権などによる制約があるため、誰でも一律に同じ選択ができるわけではありません。

当時入力した年200万円・140万円に減額率・増額率を当てはめた額面の例です。万円単位で丸め、加給年金は含めていません。正式な見込み額とは区別してください。

受給開始私の年金額妻の年金額
60歳繰上げ(−24%)152万円106万円
65歳標準200万円140万円
70歳繰下げ(+42%)284万円199万円

数字だけを見ると、私の年200万円は70歳開始なら年284万円になり、繰下げが魅力的に見えます。でも待つ5年間の生活費はどうするのか。ここに加給年金も関係するため、単純な年額だけでは決めにくいと感じました。


加給年金──我が家のキーファクター

ここで気になったのが加給年金です。年下の配偶者がいれば自動的にもらえる制度ではありません。本人の厚生年金加入期間や、生計維持、配偶者の年齢・年金受給権などの条件を確認する必要があります。

  • 本人の厚生年金加入期間が原則20年以上などの条件を満たすこと
  • 65歳未満の配偶者を生計維持していることなど
  • 配偶者に一定の老齢厚生年金等の受給権がある場合や障害年金を受けられる場合は、支給停止となることがある
  • 本人が老齢厚生年金を繰下げて待っている間は、加給年金を受け取れないこと

日本年金機構「加給年金額と振替加算」では、2026年4月からの配偶者加給年金額は、一定の生年月日の場合、基本額と特別加算の合計年423,700円と示されています。当時は年40万円と置きましたが、私が受給する将来の額や支給を保証するものではありません。

元の記事には、夫婦の年齢差を踏まえて「加給年金は合計約132万円」と置いていました。ただ、年40万円・約3年3か月という記述と、4歳の年齢差の説明には整合していない点がありました。132万円は当時の試算上の仮定として残し、実際に受け取れる確定額とはしません。

私は最初、「繰下げで増えた年金に加給年金も上乗せされる」と思っていました。しかし、老齢厚生年金の繰下げ待機中は加給年金が支給されず、加給年金自体も繰下げの増額対象ではありません。待つ間にもらえない分まで、後から増額して回収できる制度ではないことが盲点でした。

私の開始時期加給年金の確認点
60歳開始繰上げだけで60歳から加給年金が付くわけではない。65歳以降の条件を確認
65歳開始妻が65歳未満でも、加入期間・生計維持・妻の受給権などを確認。132万円は当時の仮定
70歳開始待機中は加給年金なし。4歳差の我が家では、開始時に妻が65歳を超える想定

この違いが、私の受給開始時期を考えるうえで気になりました。ただ、実際に失う金額を132万円と確定したわけではありません。配偶者側に一定の老齢厚生年金の受給権があると、実際に受け取っていなくても加給年金が停止される場合がある点も、確認が必要です。

以前は、加給年金の判定は配偶者の年収だけだと書いていましたが、これは訂正します。個人年金・iDeCoを含む家計の収入と、加給年金の支給要件は分けて確認する必要があります。


9パターン試算の結果

当時、3,000回のモンテカルロ計算を9パターンで行った結果として、次の図を掲載しました。ここではその図表を記録として戻しています。

夫婦の年金開始年齢9パターン比較ヒートマップ
当時掲載した9パターン図。「私81歳」「妻87歳」は比較用に置いた観測点です。平均寿命という旧図のラベルから、夫婦の寿命や最適な開始時期を予測するものではありません。制度の反映は再確認できていません。

これを最初に見たときは少し混乱しました。途中の観測点を重く見るか、2070年までを見るか、中央値を見るかで、良く見える組み合わせが変わったからです。

当時の表示で、低い値・高い値になった組み合わせ

当時の評価指標該当した組み合わせ当時の表示値
「私81歳」の観測点までの枯渇確率私60歳 × 妻60歳6.6%
「妻87歳」の観測点までの枯渇確率私70歳 × 妻70歳18.9%
2070年までの枯渇確率私70歳 × 妻70歳27.4%
2070年の中央値残高私60歳 × 妻60歳1億6,122万円

この順位は、当時の条件で表示された9通りの中の比較です。私や妻の寿命の予測でも、最適な受給時期の確定でもありません。評価する期間によって印象が変わる、という点を私は参考にしました。

図に掲載した9パターンの数値

私の開始妻の開始「私81歳」観測点まで「妻87歳」観測点まで2070年まで2070年中央値・万円
60歳60歳6.6%21.4%30.4%16,122
60歳65歳7.3%21.3%30.9%15,315
60歳70歳8.7%21.6%30.8%14,631
65歳60歳6.7%20.7%30.6%14,696
65歳65歳7.1%21.1%31.0%13,727
65歳70歳8.2%20.2%30.4%13,876
70歳60歳7.8%20.1%30.3%13,595
70歳65歳7.8%19.7%29.8%12,858
70歳70歳8.4%18.9%27.4%12,963

数字を見て考えた、3つの点

①私の開始時期と加給年金
70歳開始の表示値を見ながら、年金を増やすことと、待つ間の加給年金をどう考えるかで迷いました。ただ、132万円の扱いや停止条件の反映を現在確認できないため、この表から「増額が加給年金の損失を上回る」と効果を確定させることはできません。

②妻の年金を待つ間の生活費
年140万円を前提にすると、70歳開始では年約199万円という額面の例になります。長く暮らす期間の収入を考える材料ですが、その前の5年間は受給しない期間です。妻の希望や健康、他の収入も考える必要があり、「デメリットなし」とは言えません。

③早く受け取る安心感と、減額が続くこと
60歳開始の入力例では、夫婦の額面合計は年約258万円でした。早く収入が入ることは気になりますが、減額は生涯続き、繰上げ請求は取り消せません。表の短い期間の値だけで、早く受け取るほうがよいと決めることはできません。


私の現時点での検討内容

当時、私が「これかな」と思っていたのは、私65歳開始 × 妻70歳開始の組み合わせでした。今すぐ決めたわけではなく、方向性として考えた理由が3つあります。

理由①:加給年金も含めて検討したい
私が65歳から老齢厚生年金を受け取る案なら、待機中の加給年金をどう扱うかという点で考えやすいと思いました。ただし、132万円を確実に確保できるという以前の説明は訂正し、実際の支給条件を確認してから判断します。

理由②:妻が一人で暮らす期間にも備えたい
妻は4歳年下です。私が先に亡くなったあとも、妻の収入を考えておきたいと思いました。平均寿命から妻の残り年数を予測するのではなく、長く暮らす場合にも備える、という考えです。

理由③:私の65歳開始を家計の区切りにしたい
年金開始までは、退職金・iDeCo・個人年金・配当などを考えていました。65歳から私の年金が入る案には、支出を整理しやすいと感じる面がありました。ただ、それで相場の下落リスクを越えられると保証されるわけではありません。

ただし、これはあくまで現時点(2026年5月)での「検討中」の方向性です。最終判断にはまだ4年(私が60歳になる)から最大9年(私が65歳になる)あり、その間に退職後の実際の支出データ・投資運用の実績・健康状態・制度改正の動向・妻の希望、こうした要素が次々と変わっていきます。60歳直前、65歳直前のそれぞれの時点で、そのときの最新状況で改めて判断するのが現実的だと思っています。


税金から見た受給開始時期

「税金で得する年金所得額」という観点

年金額を考えるときに見落としがちな、もう一つの観点を整理しておきます。公的年金には公的年金等控除があり、さらに住民税非課税世帯になれるかどうかで、国民健康保険料・介護保険料も大きく変わります。

額面の年金と、手取りは分けて考える

確認するもの考え方
公的年金の額面上の年額の例。税・保険料を引いた手取りではない
公的年金等の雑所得年金収入から、年齢や他の所得に応じた控除を引いて計算
所得税・住民税・保険料他の所得、所得控除、世帯や自治体の条件もそれぞれ確認

住民税非課税世帯は、夫婦の合計年金だけでは決まらない

以前は「夫婦の年金合計211万円以下」が住民税非課税の目安であるように書いていましたが、訂正します。住民税非課税の判定は、各人の所得や扶養などの条件を確認するもので、夫婦の年金を足して一つの線と比べるだけでは決まりません。世帯の全員が非課税か、という点も別に確認します。

住民税非課税かどうかに関連する医療・介護等の負担区分もありますが、すべて同じ基準で決まるわけではありません。税、国民健康保険料、介護保険料などをそれぞれ確認し、年金の手取りを考える必要があります。

2026年9月10日には、軽減の差が年間50万円前後になるという根拠不明の説明を削除しました。今回もその数字は戻しません。併せて、夫婦合計211万円で非課税判定する説明も訂正しています。

我が家の当時の入力は私200万円、妻140万円で、標準開始の額面合計は年340万円でした。ただ、この合計だけで「我が家は非課税世帯になれない」と結論づけていた箇所は訂正します。他の所得や控除、扶養の状況を含め、実際に受け取る時点で確認する必要があります。

私が参考にした国税庁の公的年金等の課税関係は、年齢や他の所得によって計算が変わることを示しています。「年金額を増やすこと」と「手取りを増やすこと」は同じとは限らないので、税や保険料も一緒に考えたいと思います。


そのほかの判断材料

夫婦の条件ごとに、確認する点を変える

ここまで我が家のケースを掘り下げてきましたが、読者の皆さんのケースは当然それぞれ異なります。特に夫婦の年齢差は、年金戦略を考える上で重要な変数です。

①夫婦の年齢が近い場合
それぞれの受給開始時期と、二人が待っている間の生活費を確認します。年齢が近いだけで、両方の繰下げが有利と決まるわけではありません。

②夫が3〜5歳年上の場合
我が家もここに当てはまりますが、年齢差の年数に40万円を掛ければ加給年金額が決まるわけではありません。配偶者の受給権や支給条件、開始時期を確認します。

③年齢差がさらに大きい場合
加給年金が関係する期間だけでなく、片方の年金だけで生活する期間も長くなることがあります。生活費と受給条件を整理し、年齢差だけで開始時期を決めないようにします。

④夫が年下の場合
夫が年下だから加給年金が一律にないわけではありません。老齢厚生年金を受ける側と、65歳未満の配偶者側を分け、夫婦それぞれの加入記録で条件を確認します。

また、老齢基礎年金と老齢厚生年金では、見込み額も選び方も確認が必要です。繰下げの増額率そのものを、国民年金だけだと小さくなると説明するのは適切ではありません。基礎年金と厚生年金は別々の繰下げもできるため、二つを分けて相談する選択肢もあります。


繰上げと繰下げ、もう一つ大事な違い

繰上げ受給は、いったん請求したら取り消しできません。60歳で繰上げ請求して−24%の減額率を確定させると、その後の人生でずっと−24%が続きます。

一方、繰下げは、65歳で受け取らず、後で請求時期を判断する選択肢があります。ただし、放置すると自動で受給が始まる制度ではなく、請求手続きが必要です。たとえば68歳で繰下げ請求する場合の増額率は月0.7%×36か月=25.2%ですが、他の年金の受給権などで扱いが変わることも確認します。

待つ間に、実際の生活費や健康状態を見ながら判断できる余地がある点は、当時の私にとって安心材料でした。その一方で、待っている間の年金収入はないことも家計に入れておく必要があります。

繰上げには取り消せない重さがあり、繰下げには待つ間の資金が必要です。どちらも表の順位だけで選べる話ではない、と改めて感じました。


結局、どう決めるか──現時点での結論

①最終決定はまだ先
60歳直前、65歳直前のそれぞれの時点で、そのときの最新状況に基づいて判断します。今は「方向性を持っておく」段階です。

②当時の方向性は「私65歳開始 × 妻70歳開始」
加給年金の条件、待機期間の生活費、妻の希望を確認しながら検討する案です。受給額や支給を確定したものではありません。

③軌道修正のトリガー
退職後の実支出が想定より大きく上振れたら妻の繰下げ短縮を検討、健康に強い不安が出てきたら早めの繰上げも視野に、制度改正があればその時点で再試算します。

④定期的な見直し
年に1〜2回、資産や支出を確認するつもりでした。AIを使う場合も、モデルの新しさだけでなく、入力や計算を保存して比較できるようにしたいところです。


同じ立場の方へ──伝えたいこと

年金の開始時期は、退職後の生活設計で大きな選択です。今回の試算で私が感じたのは、いつまでの生活を考えるか、夫婦の年齢差や収入をどう置くかで、数字の見え方も気になる点も変わるということでした。

加給年金も、年金を増やす割合だけ見ていると見落としがちな点でした。ご自身の定期便と加入記録を確認し、待つ間の生活費や配偶者の条件も含めて相談することが、表の順位をそのまま真似するより参考になると思います。

私自身も、最終判断の前には年金事務所などで条件を確認することを考えています。


これからも、定期的に見直していく

今回の試算は、あくまで2026年5月時点の数字に基づくものです。年金の受給開始年齢は、実際に60歳・65歳を迎えるまで確定する必要はありません。それまでの間に、退職後の実際の支出状況・運用実績・健康状態・制度改正など、判断に影響する情報が積み上がっていきます。

今後は年に1〜2回程度、そのときの最新情報をもとに試算を更新しながら、60歳に近づくにつれて徐々に判断の精度を高めていくつもりです。このブログでも、節目ごとに数字の変化と考え方の変化を記録していきたいと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


この記事の根拠(一次資料と確認日)

制度の確認日:2026年10月6日。確認した制度の説明と、当時のシミュレーションの値は別のものです。

本記事の試算は2026年5月時点の見込み額に基づくものです。年金制度は将来改正される可能性があります。最終的な年金受給開始の判断は、年金事務所での個別相談や、必要に応じて専門家への有料相談を経て決定してください。本記事は個人の見解であり、特定の選択を推奨するものではありません。

住民税非課税世帯の「世帯全員」という説明は、厚生労働省の年金生活者支援給付金の案内も確認しました。この給付金の資格や、我が家の非課税判定を確認したものではありません。

著者プロフィール
もも吉

33年間、IT企業で技術職・管理職として働いてきました。関東在住、妻と大学生の子と3人暮らし(もう1人の子は社会人として独立) 2018年から投資を始め、資産形成を続けてきましたが、役職定年・職場での消耗・健康寿命への意識が重なり、2026年6月に56歳で早期退職しました。このブログは、その決断と準備の記録です。

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