退職前の2026年4月に公開した運用計画です。目標額・売却順・配分は、当時の私が考えたルールとして載せています。
退職後の生活費をどこから取り崩し、資産の配分をいつ見直すか。私は退職前に、この2つを決めておこうと考えました。
当時の試算は判断の材料になりましたが、元の計算結果を現在は確認できません。このルールで将来の資産が守られる、という効果を検証できたものではありません。
📌 この記事でわかること
- 現金・国債を確保してから配分を見直す当初の手順
- 下落時の売却を急がずに済むように考えた例外ルール
- 住宅ローンの方針が変わった経緯と、試算の限界
その後の判断は退職後の再試算の記録、実際の配分は退職金・iDeCo移換後の実際の資産配分にまとめています。試算に置いた条件は記事後半をご覧ください。
リバランスの基本方針:年1回・12月末実行
当初は、調整を毎年12月末にまとめて行う計画にしました。
対象資産:iDeCoと個別株を除いた「流動資産」(現金・投信・国債)のみ
非対象:iDeCo(年金運用継続)、個別株(配当エンジンとして維持)
この「年1回・年末集中」で、手間を減らし、短期の値動きに反応して売買を繰り返さずに済むようにしたいと考えました。
リバランスの手順
第1段階:現金・国債の「死守ライン」を確保
最優先で以下のフロアを確保します。
| 資産 | 最低保有額 | 不足時の売却順 |
|---|---|---|
| 現金 | 1,000万円 | – |
| 個人向け国債(10年変動) | 500万円 | – |
不足分が発生した場合の売却優先順位:
- インデックス投信(NASDAQ100 → オルカン → S&P500の順で売却)
- 個別株(最終手段)
生活費だけで見れば約3.6年分(1,500万円÷年420万円)を、現金と国債で確保する考え方です。住宅ローンや特別費などは含まない単純計算なので、家計の全支出を3.6年分まかなえるという意味ではありません。
第2段階:株式の目標配分にリバランス
現金・国債を確保した残りのリスク資産を、以下の目標比率に調整します。
| 銘柄 | 目標比率 | 許容レンジ |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim S&P500 | 50% | 45〜55% |
| eMAXIS Slim 全世界株式 | 45% | 40〜50% |
| ニッセイ NASDAQ100 | 5% | 0〜10% |
重要なポイント:
- 許容レンジ内なら売買なし(例:S&P500が48%なら放置)
- レンジを超えた場合のみ一括調整(例:S&P55.1%なら売却して他に振り分け)
短期の値動きで迷いすぎないよう、先に判断の目安を置きました。
例外ルールと応用
緊急時の「ノータッチ・ルール」:暴落時は売らない
前年にリスク資産(投資信託・株式部分)がマイナスだった場合の特別ルールです。
① リバランスは一切行わず
② 生活費はまず「現金1,000万円」から取り崩し
③ 現金が尽きたら「個人向け国債500万円」から補充
④ 株式は放置(安く売らない)
理由:
- 下落のさなかに、生活費のための売却を急がずに済むようにする
- 生活費は現金・国債から取り崩し、株式の売却時期を考える余地を持つ
- ただし、相場がいつ回復するかは分からず、現金・国債にも限りがある
暴落のさなかに自分の判断を信じられる自信がないので、あらかじめ「やらないこと」を決めておく、という発想です。
住宅ローン:一部返済を考え、その後に方針を変えた
退職金の使い道として、当初は住宅ローンを一括返済する場合、一部だけ返済する場合、繰上返済しない場合を比べました。その時点では、一部繰上返済を選ぶつもりでした。
ただ、元の比較結果や計算条件を現在は確認できず、「一部返済が最適」「残高最大・リスク最小」とは断定できません。運用リターンがローン金利を上回ることも保証されません。
その後の結果
退職後に前提を見直した退職後の再試算の記録では、繰上返済をせず、予定どおり返済を続ける方針に変えました。この記事の当初案と、その後の判断は分けてお読みください。
当時の試算から判断したこと
当時は、多数の値動きの経路を試すモンテカルロ法で試算を依頼し、「資産枯渇確率1.5%」という数字が示されました。私はそれを見て、退職後の運用を考えられるようになりました。
今は元の出力を確認できないため、試行回数や残高の分布、その数値の計算方法を再検証できません。ここでは、当時の判断を支えた数字があったという記録として扱い、現在のリスクやルールの有効性を確認した値としては使いません。
残高の幅を「95%の結果」と説明していた箇所や、比較によるリスク低下の数値は取り下げました。計算条件が違う数値を、同じ比較として読ませないよう整理しています。
この試算の前提と、計算していないこと
以下は、当時の原稿に残っている入力条件です。現在の実績や推奨利回りではありません。条件表が残っていても、元の出力や計算式まで確認できているわけではありません。
置いた前提
| 項目 | 置いた値 |
|---|---|
| 試算期間 | 2026年〜2070年(私が101歳になる年まで) |
| 当時指定した試行回数 | 10,000回(元の出力は現在確認できません) |
| 期待リターン/ボラティリティ | S&P500:9%/18% 全世界株式(オルカン):7%/18% NASDAQ100:15%/20% |
| 個別株 | 配当3.5%、元本利回り1% |
| 生活費 | 月35万円(年420万円)+特別費 年40万円 |
| 住宅ローン | 残高1,100万円(固定900万円・金利2%+変動200万円)、2035年完済 |
| 退職金 | 2,400万円(勤続33年、退職所得控除適用) |
| 年金 | 私:65歳〜年200万円(妻65歳未満の間は加給年金 年40万円) 妻:65歳〜年140万円 個人年金:妻60歳〜年30万円×6年 |
| 悲観シナリオ | 期待リターン−2%、インフレ2%で別途計算 |
その後の結果:退職後の年金見込額を確認しました
2026年10月8日の追記:早期退職後初めてのねんきん定期便では、65歳からの見込額は年2,155,598円でした。当時の試算で置いた年200万円を上回り、大きなズレがなかったことに安心しました。今回の見込額は将来の受給額を確定するものではなく、加給年金も別枠です。退職後の定期便を3年比較した記事にまとめています。
当時の資産・収入・支出と入力文は、早期退職前に44年分の資産を試算|条件と決断の記録にまとめています。その後の見直しは退職後の再試算の記録をご覧ください。
計算方法
上記の前提を条件表にまとめ、2070年までの家計を考えるために使いました。ただ、現在は元の計算式や出力が手元になく、年ごとの収支や値動きがどう処理されたかを確認できません。一個人の検討記録であり、専門機関が検証した分析ではありません。
この試算に入っていないもの
- 介護費用・高額な医療費/特別費 年40万円の枠に収まらない支出は見込んでいません。ここが一番の弱点だと思っています。
- 税制・社会保険制度の改正/現行制度が2070年まで続く前提です。将来、制度が変わる可能性があります。
- 為替変動/円換算での期待リターンに含めた形で、為替単独の変動は分けて計算していません。
- 期待リターンが将来も続く保証/9%・7%・15%はいずれも当時置いた仮定で、将来の約束ではありません。採用した根拠や、どの期間の実績を使ったかも再確認できていません。
- 自分自身が高齢になったときにルールを実行できるか/80代・90代の自分が年1回のリバランスを続けられるかは、正直わかりません。
今後の見直し候補として残していること
試算を何度か条件を変えて回し直す中で、「まだ入れられていない」と感じている論点が3つあります。今のルールには反映していませんが、状況を見て取り入れるつもりです。
- 年齢に応じた株式比率の見直し:70歳以降は株式比率を徐々に下げる
- 医療費シナリオ追加:75歳以降+50万円/年を織り込み
- 生活費柔軟性:インフレ時に娯楽費を10%減らせるか、生活への影響も含めて検討する
ルールを先に決めておく、という考え方
この運用ルールは、「感情を排除し、機械的に実行する」ための設計です。
暴落時に「売ってしまいたい!」と思っても、ルールがブレーキをかけてくれます。
このルールが誰にでも当てはまるとは思っていません。資産構成も、家族構成も、必要な生活費も人それぞれだからです。ただ、「決めておく」こと自体には効果があると感じています。私自身、数字を並べて初めて「これなら踏み出せる」と思えました。同じように迷っている方は、金額はご自身のものに置き換えて、前提から組み立て直してみてください。
次回は「退職の意思表明」で、会社との交渉過程を公開します。
※この記事の内容は個人の資産運用・シミュレーションの記録であり、投資を推奨するものではありません。投資は元本割れ等のリスクを伴います。実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。
📊 これまでの資産推移をまとめて見たい方は「月次資産公開まとめ」をご覧ください。
更新メモ
2026年10月4日:元の比較条件や出力を確認できないため、リスク低下の数値、統計的な範囲、住宅ローンの最適性を示す比較表を取り下げました。1.5%は当時の判断の記録として残しています。現金・国債1,500万円は生活費だけなら約3.6年分と訂正し、ローンなどを含む家計全体との違いを補足しました。
2026年9月10日・12日に加えた前提と方針変更の説明は、本文の各節へ整理しています。
一般的な投資リスク・試算の限界についての参照資料:金融庁「つみたてシミュレーター」の免責事項、金融庁「資産形成の基本」。個人の試算結果を裏付ける資料ではありません。

