通信費は、電気代と並んで「削っても生活満足度を保ちやすい固定費」の代表格です。
私はガジェット好きでもあったため、長い間いろいろなモバイル回線を渡り歩いて、複数の回線契約をしていました。「いつか見直そう」と思いながら毎月そこそこの金額を払い続け、退職準備を始めて初めて「これは完全に惰性だった」と気づきました。
この記事では、私なりのモバイル回線の選び方と、最終的にたどり着いたpovo×楽天モバイルのデュアルSIM運用について紹介します。
回線選びの前提:セット割はあえて避ける
私の基準はシンプルです。通信量(どのくらい使うか)、通信速度(どの程度の速さが必要か)、料金(固定費としていくらまで許容するか)——この3つのバランスで「最適点」を探します。
一方で、インターネット回線や電気とのセット割前提のプランは基本除外しています。セット割は短期的には安く見えても、光回線や電気会社を変えにくくなる、生活スタイルが変わったときに見直しがしづらいという「将来の自由度」を下げるデメリットがあるからです。
1)MVNO:とにかく安くしたいライトユーザー向け
候補になるのは、日本通信やmineoなどのMVNOです。通信量は少〜中、通信速度は混雑時間帯は遅め、料金はとにかく安価という特徴があります。MVNOは大手キャリアの回線を借りる仕組みのため、料金は非常に安い一方、平日昼などには速度が落ちやすい傾向があります。「動画はほとんど見ない」「SNSとメールがメイン」というライトユーザーで、とにかく月額を抑えたい人向きです。
2)サブブランド:速度と安さのバランス型
大手キャリア直下のサブブランドには、Y!mobile(ソフトバンク系)、LINEMO(ソフトバンク系)、UQ mobile(au系)、povo(au系)、ahamo(ドコモ系)などがあります。共通する特徴は通信量が少〜中容量(3〜30GB程度)、通信速度はMVNOより速く混雑時も比較的安定、料金はメインブランドより安いがMVNOよりは高めという「バランス型」です。
私の印象を一言ずつ書くと次のようになります。Y!mobileは家族割や光回線とのセット割前提のキャンペーンが多く、料金プランがやや複雑な印象です。LINEMOはトーク・音声通話・ビデオ通話が「LINEギガフリー」でデータ消費ゼロになるため、LINE中心で連絡を済ませる人には強力な選択肢です。UQ mobileは通話オプションが豊富ですが、割引条件を絡めた設計が多めでシンプルさよりも細かく組み合わせたい人向けという印象です。povoは基本料0円で必要な分だけ「トッピング」を買う方式で、番号維持用やサブ回線として使いやすいです。ahamoは20GB+5分かけ放題込みのシンプルなプランで、ドコモ回線でエリアが広い選択肢です。
3)楽天モバイル:従量課金&株主優待で光る特殊枠
楽天モバイルは、他社と少し違う独特の立ち位置です。料金は3GB・20GB・無制限の3段階従量課金で、使ったデータ量に応じて自動で料金が変わります。
さらに、楽天グループの株主優待として、音声通話付き・30GB/月の回線が最長1年間無料で使えるSIMが提供されています。株価水準にもよりますが、7〜8万円前後の投資で1年間30GB×12か月分の回線を確保できる計算です(2026年3月時点)。エリアについては、建物内・地下・山間部には弱さが残りますが、以前より通信品質は改善しており、実用上の問題はかなり減ってきています。
私の実例:povo×楽天モバイルのデュアルSIM運用
SIM1:povo(長年使っている電話番号の維持用)
目的はメインの電話番号を安く維持することです。使い方はデータ追加1GB(180日間)のトッピングを利用。コストは180日で1,260円(キャンペーン・条件により変動)。データ通信はほぼ使わず発着信メインの運用なので、半年に一度少額トッピングを購入するだけで番号維持が可能です。
SIM2:楽天モバイル(データ通信専用・株主優待)
目的はデータ通信をほぼ楽天モバイル側に集約することです。楽天グループの株主優待で月30GBまで無料の回線を利用しています。私の生活圏(自宅〜都内〜地方への旅行)では、若干遅く感じる場面はあっても日常利用に支障はほぼありません。沖縄・山陰・四国・東北に旅行した際も、「山奥に入り込んだとき以外」は問題なく使えました。
この構成のメリット・デメリット
メリットとしては、楽天モバイル側のデータ通信が株主優待で実質0円、povo側は番号維持目的のみで半年ごとの少額トッピングだけという通信費の大幅削減があります。また、どちらも光回線や電気とのセット割りに縛られていないため、「光を別プロバイダに乗り換えたい」「電気会社を乗り換えたい」といったときもスマホ側の契約に足を引っ張られずに動けます。
デメリット・注意点としては、楽天モバイルの株主優待は毎年内容が見直される可能性があり「ずっと続く」とは限りません。また楽天の電波は建物内や山間部ではまだ弱い場面もあるため、「絶対にどこでもつながってほしい」「都心の人混みでキャッシュレス決済を頻繁に使う」という人にはやや不安が残るかもしれません。povo側でトッピングしない期間が6か月を超えると自動解約になる可能性もあるため、定期チェックは必要です。
まとめ:自分の「使い方」に合わせて、モバイル回線も固定費最適化を
月数GBしか使わない・速度にはこだわらないならMVNOで底値を狙う、安定性と速度も欲しいならサブブランド(LINEMO・UQ・ahamoなど)、株主優待やデュアルSIMを活用して工夫するなら楽天モバイル+povo、という整理になります。
33年IT企業にいながら長年放置していた私が言うのも説得力がありませんが、固定費の見直しは「いつか」ではなく「今すぐ」できます。1時間あれば選択肢の比較はできますし、乗り換えの手続きも思ったよりずっと簡単です。まず自分の直近3か月の通信費を確認するところから始めてみてください。
通信費の見直しをまとめて考えたい方は、「なんとなく引き続けていた光電話を解約した話」 もあわせてご覧ください。

