会社を辞めたら、仕事でAIを使うことはなくなる。そうすると、使う機会も減るのかと思っていました。
ところが、実際は逆でした。2026年6月末に早期退職してから、旅行、ブログ、Xへの投稿、日記、家計管理、調べ物と、AIを使う場面はむしろ増えています。
使い始めた頃は文章を整理するための道具でしたが、今は生活のいろいろなところで使うようになりました。今回は、会社員時代から退職後まで、私のAIとの付き合い方を振り返ってみます。
📌 この記事でわかること
- 文章整理から資産シミュレーションへ広がった、退職前のAI利用
- 旅行・ブログ・日記など、退職後に増えた私の使い方
- 複数のAIを使い分けながら、有料契約を絞っている理由
- AIの答えとの付き合い方と、今いちばん価値を感じていること
会社員時代、文章整理からAIを使い始めた
AIを使い始めたのは、会社員だった3年ほど前です。当時勤めていたのはIT企業で、周囲でもAIを試す人が少しずつ出てきて、私も使うようになりました。
最初は、メールや報告書の草案を作ったり、自分で書いたけれど何となくしっくりこない文章を整理してもらったりする使い方でした。
とはいえ、最初から簡単に使えたわけではありません。「こんなことまでできるのか」と驚く一方で、意図した答えを出してもらうには、プロンプト(AIへの指示)の書き方をかなり工夫する必要がありました。
「AIにはこう指示するとよい」という情報を読んでも、実際に使うと思ったような答えが返ってこないこともあります。私にとっては、使いこなすまでに少しハードルがありました。
それでも試しているうちに、大量の情報を整理して統計資料を作ったり、データを分析したりと、用途が広がっていきました。そして、本格的に使う大きなきっかけになったのが、早期退職でした。
「本当に会社を辞めても大丈夫か」をAIでも考えた
早期退職を考えたとき、一番気になったのは、当然ながらお金の問題です。現在の資産額だけを見ても、「本当に会社を辞めても大丈夫なのか」という答えは出ません。
これからの生活費、年金、保険、税金、運用資産、運用利回り、インフレなど、いろいろな条件を整理してAIに伝え、将来資産が枯渇する可能性を試算しました。値動きなどの条件を変えて何度も計算する、モンテカルロシミュレーションも使いました。
人生の大きな判断です。一つのAIの結果だけを信用するのも怖かったので、複数のAIに同じような条件を与えて、結果や説明を比較したこともあります。
ところが、やってみるとAIによって結果も説明もかなり違いました。特に最初の頃は、私の条件の伝え方も十分ではなく、「いや、このシミュレーションはおかしいだろう」と思う結果が出ることもありました。
条件を整理し直し、指示の出し方を変え、計算の前提を確認する。そんなことを何度も繰り返すうちに、AIへの伝え方も少しずつ分かるようになったと思います。
当時はClaudeのOpusなどが、私の期待する試算や説明に比較的近い回答を出してくれた印象があります。これは私との相性の話で、計算の正しさやAI同士の性能の優劣を示すものではありません。
もちろん、AIが「会社を辞めても大丈夫」と言ったから早期退職したわけではありません。試算は、資産や生活の条件を整理し、自分で判断するための材料の一つでした。
この経緯は、早期退職前に44年分の資産を試算した、条件と決断の記録にまとめています。元の計算結果を現在は確認できないため、この記事から将来の安全性を断定できない点も、過去記事に追記しています。
私にとってAIが「ちょっと便利な文章作成ツール」から、本格的に使う道具へ変わったきっかけだったのは間違いありません。
退職後、旅行計画がかなり楽になった
仕事でAIを使うことはなくなりましたが、日常生活で使う機会は増えました。その中でも、特に便利だと感じているのが旅行計画です。
妻と旅行するときは、まず行きたい都道府県を決め、その中から行ってみたい観光スポットを自分たちで選びます。わが家はレンタカーを使った個人旅行が多く、自分たちの行きたいところを組み合わせて回ることが多いです。
そこでAIに、「3泊4日で、この観光地を全部回るなら、どの順番が効率的か」と相談します。移動時間や宿泊場所などを考えながら、日程を組んでもらうわけです。
さらに便利なのが旅行中です。現地へ行ってから「ここにも行ってみたい」となったときも、スマートフォンから相談して、その日の午後や翌日の予定を組み直してもらいます。
以前なら地図を見て移動時間を一つずつ調べていたところですが、予定を組み直す作業がずいぶん楽になりました。
決して高度な使い方ではありません。それでも私には、複雑な資産シミュレーション以上に価値を感じる場面があります。AIを使うことで、旅行の満足度はかなり上がったと思っています。
ブログとXでは、文章を整理する手伝いをしてもらう
ブログはChatGPTとClaudeを使い分ける
このブログも、文章の整理などにAIを使っています。現在は、まずChatGPTに自分が考えていることや体験したことを入力しながら、記事の構成や原稿の土台を作っています。
最近は、キーボードで入力するより、音声入力で思ったことをどんどん話すことも増えました。
ある程度原稿ができたら、無料で使える範囲でClaudeにも読ませ、日本語の表現や言い回し、文章の流れを確認することがあります。日本語の文章表現については、Claudeの提案の方が私の感覚に合う場面もあります。
そこで修正したものを再びChatGPT側へ戻し、WordPressへの反映などにつなげています。制作の後半では、コーディングや作業を支援するCodexも使い、WordPressへの反映やアイキャッチ作成にもAIを利用しています。
一つのAIですべてを完結させるより、それぞれ自分が便利だと感じるところで使い分けるようになりました。
ブログ公開後のX投稿にもAI
ブログ公開後、Xへの投稿文を整理するときにも使っています。記事で伝えたかったことを短くまとめたり、文字数に収まるように調整したり。投稿への返信文を整えるときにも使います。
短い文章だから簡単そうですが、限られた文字数で伝えたいことをまとめるのは意外と難しいものです。地味ではありますが、私にとって利用頻度の高い使い方です。
退職後なので、AIの固定費も増やしすぎたくない
一方で、便利だからといって、すべてのAIを有料契約するつもりはありません。早期退職後は、毎月の固定費がやはり気になります。
以前はClaudeを有料契約し、それ以外のAIは無料の範囲で使っていました。その後、ブログ制作などでCodexを使うようになり、私にはこちらの方が使い勝手が良さそうだと感じたため、2026年9月にClaudeからChatGPT中心へ切り替えました。
現在、有料契約しているAIはChatGPT Plusだけです。Claude、Perplexity、Geminiは、基本的に無料で使える範囲で利用しています。
CodexもChatGPT Plusのプランに含まれる利用枠で使っています。利用できる機能や上限には条件があるため、ここでは細かな料金やプランの比較はしません。
提供関係は2026年10月6日にOpenAI公式の料金・プラン案内で確認しました。
AIについても、「一番性能が高いものはどれか」だけでなく、自分が価値を感じるものにお金を払う。退職後は、そんな使い方でいいのではないかと思っています。
最近面白いのが「散歩しながらAIに日記を話す」
最近始めた使い方の中で、特に気に入っているのが日記です。私はこれまで何度か日記をつけようとして、なかなか続きませんでした。
毎日机に向かって「さて、今日は何を書こう」と考える方法が、どうも私には合わなかったようです。
そこで今は、朝のウォーキング中などに、スマートフォンの音声入力を使って、思ったことをそのままAIに話しています。きれいな文章にする必要はありません。
音声入力なので誤変換もあります。言い間違いもあり、途中で話題が変わったり、話が前後したりすることもあります。それでも最近のAIは、前後の文脈からかなり意図をくみ取って整理してくれます。
月ごとに一つのチャットを作り、そこへその日にあったことや感じたことを入れていく。その中から、ブログの記事になりそうな話や、Xへの短い投稿に向いていそうな話も拾ってもらいます。
そして、月単位で内容をまとめ、日記としてGoogle Drive上のGoogleドキュメントに残す運用を始めました。日記フォルダに月ごとのファイルを作るので、PCからでもスマートフォンからでも見ることができます。
まだ始めたばかりなので、本当に長く続くかは分かりません。ただ、これまで何度も続かなかった日記よりは、今回は続けられそうな気がしています。
私にとってのポイントは、「スマートフォン+音声入力+AI」の組み合わせです。思ったことをその場で話せばいい。キーボードに向かって文章を書く必要がありません。
もちろん、AIにどこまで個人的な内容を話すのか、保存先の共有設定をどうするかには、気をつける必要があると思っています。
そして、デメリットも一つあります。朝のウォーキング中、スマートフォンに向かって一人でブツブツしゃべっています。はたから見ると、ちょっと怪しいかもしれません(笑)。
調べ物は、検索するより会話で絞り込む感覚に
以前は何か分からないことがあれば、まずGoogleで検索していました。今は、Google検索より先にAIへ聞くことが増えています。
これも音声入力との相性がいいです。検索キーワードを考えなくても、普通の言葉で質問できます。最初の回答が少し違えば、知りたいところや条件を追加で伝えられます。
私の感覚としては、検索するというより、会話しながら知りたいところまで絞り込んでいくことに近いです。
ただし、AIが出した情報が必ず正しいとは限りません。過去には、同じプロンプトを使った再試算で、AIから示された資産枯渇確率が1.5%から31.8%へ変わり、驚いた経験もありました。
この経緯は、早期退職シミュレーションを再検証した当時の記事に残しています。ただ、これらは当時AIから示された数字の記録であり、現在の資産枯渇リスクを検証した値として紹介するものではありません。数字が変わったことだけで、計算がより正確になったとは言えません。
AIの答えをそのまま正解だと思わず、前提や計算内容を確認する必要があると感じた出来事でもあります。特に税金、社会保険、料金、制度などは、必要に応じて公式サイトなどの一次情報を確認するようにしています。
家計管理では、情報の整理から保存までつながった
家計や資産の管理でも、使い方が変わりました。以前はClaude Codeを使い、MoneyForward MEの情報から統計資料を作る仕組みを自分で作ったことがあります。
ただ、当時の私の仕組みではデータを自動取得できず、必要な情報をローカルファイルに保存して取り込むなど、手作業が残っていました。
現在はMoneyForward MEとChatGPTを連携し、会話の中で家計や資産のデータを参照して分析しています。さらに私の場合は、ChatGPT側の定期実行の仕組みと組み合わせて統計情報をまとめ、Google Drive上のスプレッドシートへ出力・更新する運用にしています。PCでもスマートフォンでも確認できます。
MoneyForward ME自身が定期的にChatGPTへデータを送ったり、スプレッドシートへ直接同期したりする機能ではありません。データの参照、ChatGPT側の定期実行、結果の保存を組み合わせた、私の運用例です。
連携の仕様は2026年10月6日にMoneyForward ME公式の案内で確認しました。
具体的な仕組みは、MoneyForward MEとChatGPTの連携から、FIRE家計の定点観測までをまとめた記事で詳しく書いています。今回は、生活の中でAIを使う一例として紹介するにとどめます。
私にとって大きいのは、質問して答えてもらうだけでなく、情報を整理・分析し、見返せる場所へ残すところまでつながったことです。日々話したことを整理して月単位で残す日記とも、考え方は少し似ています。
高性能かどうかより、自分の生活で便利かどうか
ここまで使うようになったのは、私自身がAIに慣れたこともあります。ただ、それ以上に、普段の言葉や音声入力でも意図をくみ取ってくれるようになったと感じることが大きいです。
私はすでに退職しているので、以前勤めていた会社で、現在どこまでAIの活用が進んでいるのかは分かりません。ここで書けるのは、私自身の生活で感じている変化です。
早期退職を考えていた頃は、複雑な資産シミュレーションをどこまでできるかをかなり気にしていました。でも今、よく使っているのは、旅行の日程を組む、文章を整理する、思いついたことを話して日記にする、といった使い方です。
一つひとつは、それほど高度な使い方ではありません。それでも私の生活には、こうした使い方の方が価値が高いこともあります。
「一番性能の高いAIはどれか」より、「自分の生活のどこで使うと便利なのか」。そちらの方が大切なのではないかと思うようになりました。
今回紹介した使い方も、誰かの活用術を体系的に取り入れたものではありません。自分で試しながら、「これもAIを使えば楽になるのでは?」と、少しずつ広がってきたものです。
私が知らない使い方も、まだたくさんあるはずです。今後は新しい機能だけでなく、ほかの人の活用例も調べて、自分の使い方をブラッシュアップしていきたいと思っています。
AIを使うこと自体が目的ではない
会社員時代、文章を整理するところから始まった私のAI利用。早期退職を考えたときには判断材料を整理する道具となり、退職後は生活のいろいろなところへ広がりました。
面倒だった作業が少し楽になる。調べ物にかかる時間が短くなる。旅行が少し充実する。これまで続かなかった日記を残せる。その結果、自分の時間をほかのことに使える。
早期退職して時間の使い方を大切にするようになった今だからこそ、こうした価値を以前より感じているのかもしれません。
AIの進歩は速く、半年後には使い方が変わっているかもしれません。だからといって、新しい機能をすべて追いかけるつもりもありません。
自分の生活に使えそうなものがあれば試してみる。便利なら残す。自分には必要なければ使わない。有料サービスも、自分に価値があると思うものを選ぶ。そんな距離感でいいと思っています。
私自身も、まだ知らない使い方を探しながら、AIとの付き合い方を少しずつ見直していくつもりです。皆さんは、AIをどんなことに使っていますか?

