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配偶者に早期退職を理解してもらう方法と対話のコツ

手続き
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このブログを読んでくださっている方の中には、「早期退職したいけれど、妻(夫)にどう話せばいいのか…」と悩んでいる方も多いのではないかと思います。

私も、最初からすんなり理解してもらえたわけではありませんでした。仕事の状態、資産の見通し、健康や時間のこと……。これらを時間をかけて妻と共有していく中で、少しずつ「早期退職もアリかもしれない」と思ってもらえるようになりました。

今回は、私がどのように妻に早期退職の話をして、どう理解してもらったのかを整理してみます。

きっかけは「このまま定年まで走り続けていいのか」という違和感

ここ数年の私は、正直なところ、仕事にかなり消耗していました。

  • 24時間いつでも連絡が入るような仕事の体制
  • 組織変更のたびに、メンバーも役割もガラッと変わる職場
  • 自分が望んでいなかった単身赴任を、会社から命じられて行かざるを得なかったこと

単身赴任中は一人で考える時間が増えたこともあり、家族との関わり方やライフプラン、老後資産のことをじっくり考えるようになりました。「資産的に問題なければ、どこかのタイミングで早期退職するのも選択肢かもしれない」——そう考え始めたのが、最初のきっかけです。

さらに、私の父が66歳で亡くなったことも大きな要因でした。病気が見つかったのは65歳のときで、「健康寿命には限りがある」という現実を強く意識させられました。自分も50代半ばになり、「本当にやりたいことを、からだが動くうちにやっておきたい」という気持ちが日に日に強くなっていきました。

我が家のお金は、もともと「オープン」だった

早期退職の話をするうえで、前提として大きかったのが「お金の話を普段からオープンにしていたこと」です。

結婚してからずっと、家計管理は私が担当してきました。収入や支出だけでなく、貯蓄額、投資信託の残高、住宅ローンの残高など、お金に関する数字を長期にわたって管理し、その状況を定期的に妻に共有してきました。

といっても、専門用語を並べて難しく説明していたわけではありません。「今はこれくらい貯まっているよ」「ローンはここまで減ってきたよ」「子どもの学費は、この年までにこれくらいで終わる見込みだよ」——家計の定期点検を一緒に眺めるような感覚で話すことが多かったです。

この「数字を一緒に見てきた時間」が、結果的に、早期退職を理解してもらうための土台になっていたと感じています。

MoneyForwardで「右肩上がり」を一緒に見た

資産状況の説明で特に役立ったのが、MoneyForwardで資産推移をグラフで見せられたことです。

2013年末には数百万円台だった資産が、2025年9月末には約5,000万円超まで増えてきていることが、一つの画面で一望できるようになっています。

妻はお金の管理そのものは「あなたに任せるね」というスタンスですが、数字の羅列や言葉だけではなかなかイメージが湧きにくいところもあります。そこで、MoneyForwardの資産グラフを一緒に見ながら、「ここがコロナショックの時期で、一度ガクッと下がったところ」「でも、そのあとここまで回復して、今はこのラインまで増えている」と、画面を指し示しながら説明しました。

視覚的に「長い目で見ると右肩上がりになっている」という安心感を共有できたことは、「早期退職しても、いきなり生活が立ち行かなくなるわけではない」というイメージを持ってもらううえで、とても大きかったと感じています。言葉だけでなく「見える化」して共有することの重要性を、あらためて実感した場面でした。

学費と住宅ローンが「出口」に近づいてきた

早期退職の話を妻に本格的にし始めた頃、我が家のライフイベントも節目にさしかかっていました。上の子どもはすでに独立、下の子どもは大学4年生でまもなく就職予定、住宅ローンの残高もかなり減ってきていました。

「子どもの学費がもうすぐ終わる見込み」「住宅ローンも、このペースなら老後の大きな重しにはなりにくい」——こうした前提が見えてきたことで、「もし今辞めたら、その後のお金の流れはどうなるか」を具体的にシミュレーションできるようになりました。

さらに、私の会社では毎年4月に「今このタイミングで退職した場合の退職金の見込み額」が通知されます。これをずっとウォッチしていたおかげで、「56歳を超えると退職金の増え方が一気に鈍くなる」ということも把握していました。つまり、「定年まで働き続けるより、早めに退職した方が退職金という意味では効率がいいかもしれない」という感覚もあったわけです。

こうした数字を、MoneyForwardのグラフや退職金試算とあわせて妻に見せながら、「早期退職=感情だけの決断ではなく、数字にも根拠がある」ということを少しずつ共有していきました。

妻が見てきた、私の「すり減り」

とはいえ、お金の話だけで早期退職を理解してもらえたわけではありません。もう一つ大きかったのは、ここ数年の私の働き方を、妻が間近で見ていたことです。

夜中でもスマホに連絡が入り、休日でもトラブル対応に追われる。組織変更のたびに、責任や負荷ばかりが増えていく。そんな状態が続き、私自身が少しずつすり減っていく様子を、妻はずっと見ていました。

大きなトラブルがあり、ほとんど眠れない日々が続いた時期がありました。ほぼ休みもなく対応が続き、精神的にもかなり追い込まれていたと思います。その姿を目の当たりにしたことで、妻の中でも「この働き方を定年まで続けるのは、さすがに無理があるのではないか」という感覚が芽生えていったようです。

この「実際に見てもらった」期間は、早期退職の話を理解してもらううえで、非常に大きな意味を持っていたと感じています。

2〜3年かけて、少しずつ相談した

妻に「早期退職したい」と最初に打ち明けたのは、今からおよそ2年前でした。そのとき、いきなり「会社を辞めたい!」と宣言したわけではありません。

最初は、仕事への不満や心身のきつさといった「気持ち」の部分から話し始めました。同時に、資産状況的に「退職しても生活していけそうかどうか」を、シミュレーション結果も含めて少しずつ共有していきました。

  • 最近、仕事がどれくらいきついのか
  • 体力や気力がどう変わってきているのか
  • お金の面で、本当にやっていけるのか

こういった話題を、1回きりではなく、何度も少しずつ噛み砕いて話しました。私の気持ちも揺れますし、妻にも妻の不安があります。「本当に大丈夫なの?」「老後のお金は足りるの?」といった質問にも、その都度、自分なりの言葉と数字の根拠で答えていきました。

そうやって2〜3年かけて対話を重ねた結果として、妻から「そこまでつらい思いをしているなら、早期退職してもいいんじゃない?」という言葉をもらえるようになりました。「一度の大プレゼンで説得した」というよりも、日々の会話の延長線上で少しずつ理解してもらった、という感覚に近いです。

妻は「働き続けたい」という選択

一方で、私が早期退職を選ぶのに対し、妻は「これからも働き続けたい」という意思を持っています。妻は製造業の会社で事務職として働いており、60歳までは今の会社で働き、その後もボランティアや短時間の仕事などを通じて社会とのつながりを持ち続けたいと考えています。

早期退職を決めたからといって、夫婦で同じ働き方を選ばなければいけないわけではありません。私が会社を辞めても、妻は妻なりのペースで仕事を続け、社会との接点を維持する。それぞれの「ちょうどいい距離感」で、これからの時間を過ごしていくイメージが、少しずつお互いの中で固まってきました。

普段からのコミュニケーション量がものを言った

あらためて振り返ると、今回の早期退職の話をスムーズに進められた背景には、「特別なときだけ話す」のではなく、「日常的にたくさん話してきた」という土台があったと思います。

我が家では、ほぼ毎日、夕食後に30分から1時間は会話をします。その日の仕事であったこと、体調のこと、子どもの近況、お金の話、将来どうしたいか——テーマはその日によってさまざまですが、「とりあえず一度、言葉にして共有する」時間になっています。

ここで大事なのは、「私が一方的に話す時間」ではないということです。私の仕事の状況や気持ちを話す一方で、妻の仕事の状況や、そこで感じていること、いわゆる愚痴のようなものも含めて、お互いに話し、お互いに聞く時間になっています。

休日も、買い物や散歩に出かけたり、外食をしたりと、自然と会話が生まれる時間を多く持ってきました。特別なイベントではなく、こうした「なんでもない日」の積み重ねが、お互いを理解し合い、信頼し合う土台になっていると感じています。

仕事の話から、退職後の話へ

最近では、仕事の愚痴や職場の出来事だけではなく、「退職後をどう過ごしたいか」という話題も増えてきました。

妻は60歳までは今の会社で働き、その後はボランティアに参加したり短時間の仕事をしたりしながら、社会とのつながりを持ち続けたいと考えています。私自身も、退職後は失業給付の期間なども活用しつつ、ボランティアやパートタイムの仕事など何らかの活動をしていきたいと思っています。資産運用の成績が良ければボランティアや旅行・趣味に時間を多く使い、成績が悪ければ仕事の量を増やす——そんな「フレキシブルリタイア」のようなスタンスをイメージしています。

また、健康の話題もよく出るようになりました。ここ数年ほぼ毎日続けているウォーキングやジョギングの話も含め、「健康第一で、無理のない範囲で体を動かしていきたいね」という話をよくします。退職後の時間の使い方を考えるとき、「運動」「睡眠」「食事」といった生活のリズムについても、お互いの希望をすり合わせているところです。

子どもたちの反応は、案外あっさり

一人はすでに独立、もう一人は大学4年生で就活中という状況もあり、私の早期退職の話をしても、驚くほどあっさりした反応でした。「ふーん、別にいいんじゃない?」「やれるならやれば?」——そんな温度感です。

こちらが思っているほど、子どもたちは親の仕事には興味がなく、むしろ「元気でいてくれるか」「生活が極端に苦しくならないか」の方が重要なのだろうな、と感じました。

まとめ:説得ではなく、「日々の会話の延長線」

私が早期退職を妻に理解してもらえたのは、次のような要素が積み重なった結果だと思っています。

  • 日頃から家計や資産状況をオープンにしてきたこと
  • MoneyForwardで資産推移を見える化し、右肩上がりの流れを一緒に確認できたこと
  • 子どもの学費や住宅ローンの「出口」が見え、お金の計算に一定の根拠があったこと
  • ここ数年の仕事のつらさや消耗を、妻が近くで見てきたこと
  • 2〜3年かけて、感情と数字の両面から何度も対話を重ねたこと
  • 父のことなどを通じて、「残り時間をどう生きるか」を共有できたこと
  • 毎日のようにお互いの仕事や気持ちを話し合う、コミュニケーションの土台があったこと

どれか一つの「決め手」があったというよりも、こうした日々の積み重ねの延長線上に「早期退職」というテーマが乗ってきた、という感覚に近いです。

もしこれから早期退職を考えている方がいるとしたら、「一度のプレゼンで説得する」という発想よりも、日頃から少しずつ情報と気持ちを共有していくことが、いちばんの近道かもしれません。この文章が、同じようにパートナーとの対話に悩んでいる方の、何かのヒントになればうれしく思います。

著者プロフィール
もも吉

33年間、IT企業で技術職・管理職として働いてきました。神奈川県在住、妻と大学生の子と3人暮らし(もう1人の子は社会人として独立) 2018年から投資を始め、資産形成を続けてきましたが、役職定年・職場での消耗・健康寿命への意識が重なり、2026年6月に56歳で早期退職しました。このブログは、その決断と準備の記録です。

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